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日野自動車 ブルーリボンHIMR
HIMRは、日野自動車が開発した本格的なハイブリッドバスで、日本のどの企業よりも早く開発に成功した車両です。日野自動車は、1989(平成1)年に試作車両は完成し、1991(平成3)年から電気とディーゼルエンジンのハイブリッドバスを東京都や京都府、大阪府、名古屋市などで試験的に運行させてもらっていました。名古屋市交通局へ、1973(昭和48)年にBT900を導入させた実績があるものの、当初は鉛蓄電池を採用しており電気関係の知識はほぼなく、開発に難航しました。当初は故障が頻発するなど技術的な欠陥などありましたが、開発者たちが努力した結果故障も減り、試験運行開始から3年後の1994(平成6)年から正式に販売開始されました。HIMRは、黒煙の発生を従来のディーゼル車よりもなんと70%も抑制ができ、またNOxは20〜30%ほど抑えられたようです。また燃費も6km/リッターで、現在のディーゼル車よりも燃費がよかったそうです。その頃、他社では技術的に簡易な蓄圧式ハイブリッドバスを製造していましたが、効果はあまり得られず、電気式ハイブリッドバスの開発を進めた日野自動車は、機器の配置の自由度の高さが功を奏し、低床化も実現できるようになりました。そんな完成度が高い日野自動車・HIMRシリーズをご紹介します。因みにHIMR(ハイエムアール)とは、「Hybrid Inverter Controlled Motor & Retarder System」の頭文字を取った略称です。
U-HU2K*AH
1991(平成3)年、HIMRは遂に完成し、販売が開始されました。当初は、ディーゼル仕様のブルーリボンの改造扱いとなり、型式はU-HU2KLA改となっていましたが、型式認定がおり、U-HU2KLAHとなりました。導入は東京都交通局や阪急バス(58MC架装)など大手の事業者で、少数導入にとどまりました。
(日野オートプラザ U-HU2KMAH)
スペック
搭載エンジン:M10U (235PS/2500rpm 716N・m/1500rpm 9880cc)
搭載モーター:三相交流誘導器(30kW)
ラインナップ:L尺(WB 4.8m)、M尺(WB 5.2m)、P尺(WB 5.67m)
KC-RU1J*CH
初代が発売して翌年の1995年に2代目となるKC-RU1J系が発売されました。大型なM10U型エンジンを搭載していましたが、ダウンサイジングしながらも、前代よりも出力・トルクがあがったJ08C系という中型のエンジンを採用しました。またこの世代からアイドリングストップ&スタートシステムも標準装備し始め、中にはAT仕様(メーカー不明)のものもあったようです。また、MTはフィンガーシフトのFFシフトに変更されています。ブルーリボンシティHIMRが出る2000(平成12)年まで製造・販売していました。
(名古屋市交通局大森営業所 H-824号車 KC-RU1JMCH)
スペック
搭載エンジン:J08C
(240PS/2500rp 735N・m/1500rpm 7961cc)
搭載モーター:三相交流誘導器(30kW)
ラインナップ:L尺(WB 4.8m)、M尺(WB 5.2m)、P尺(WB 5.67m)
ボディ:日野車体(純正)、西日本車体工業(58MC,96MC)、富士重工業(R17型E)
HM-HU1J*EP
ブルーリボンシティが販売された翌年の2001(平成13)年にブルーリボンシティ・HIMRが販売開始されました。エンジンはそのままJ08C型エンジンを引き続き使用しており、エンジン出力・トルク・排気量は変更ありませんが、エンジン配置が再び水平に戻され、HM-HU1J*EPになりました。また、バッテリー類や電気機器などの小型化ができたことによって、低床化が実現。ワンステップ仕様での販売になりました。また、内装は標準仕様ノンステップバスと同じようにし、バリアフリーにも意識した車両になりました。また、P尺(WB 5.67m)はラインナップから消滅しました。
スペック
搭載エンジン:J08C-1M(240PS/2500rp 735N・m/1500rpm 7961cc)
搭載モーター:1M(41kW)
ラインナップ:L尺(WB 4.8m)、M尺(WB 5.2m)
次の世代からHIMRシリーズからブルーリボンシティ・ハイブリッドに。HM-HU1J系以降の車両のページはこちら。